宅地建物取引主任者には独占業務あり、独占業務は次のとおりです。
- 重要事項の説明
- 重要事項説明書への記名・押印
- 37条書面への記名・押印
宅地建物の取引契約を締結する前にお客さんに対して、
該当物件の重要事項の説明をしなければなりません。
●宅地建物取引業法(宅建業法)第35条(重要事項の説明等)
宅建業法第35条にあるように、重要事項の説明をするのは宅建主任者の仕事となっています。
宅建業法第35条にあるため、この重要事項説明書のことを「35条書面」とも言います。
不動産屋の社長自ら説明しても、宅建主任者の資格を持っていない場合は、
上記の法律に違反することになります。
専任の主任者でなくても(アルバイト、パートでもいい)大丈夫なので、
重要事項の説明は宅建主任者が必ず行わなければならない仕事となっています。
説明の際は、主任者証を提示する必要があります。
主任者証の提示は義務であり、提示しないで説明するのは違反です。
主任者証が紛失している場合は、
再交付があるまで説明はできません。
説明義務は主任者ではなく、宅建業者がその義務を負います。
交付するのは主任者の仕事です。
●重要事項の説明事項例(宅建業法第35条から抜粋)
- 当該宅地又は建物の上に存する登記された権利の種類及び内容並びに登記名義人又は登記簿の表題部に記録された所有者の氏名(法人にあつては、その名称)
- 都市計画法、建築基準法その他の法令に基づく制限で契約内容の別に応じて政令で定めるものに関する事項の概要
- 私道に関する負担に関する事項
- 飲用水、電気及びガスの供給並びに排水のための施設の整備の状況
- 当該宅地又は建物が宅地の造成又は建築に関する工事の完了前のものであるときは、その完了時における形状、構造その他国土交通省令・内閣府令で定める事項
- 代金、交換差金及び借賃以外に授受される金銭の額及び当該金銭の授受の目的
- 契約の解除に関する事項
- 損害賠償額の予定又は違約金に関する事項
- 現金販売価格
- 割賦販売価格
宅建主任者は、重要事項の説明だけでなく、責任の所在を明確にするため、
主任者自ら、記名・押印する必要があります。
上記の宅建業法第37条にあるので、37条書面と呼ばれています。
37条書面に記名・押印するのも宅建主任者の独占業務です。
重要事項説明書は、契約締結前ですが、37条書面は、契約締結後にに遅滞なくする必要がある書面です。
また、交付は、重要事項説明書は宅地や建物を取得する側だけに交付するのに対して、
37条書面は、売主や買主など両者に対して交付します。
●37条書面の記載事項例(宅建業法第37条から抜粋)
- 当事者の氏名(法人にあつては、その名称)及び住所
- 当該宅地の所在、地番その他当該宅地を特定するために必要な表示又は当該建物の所在、種類、構造その他当該建物を特定するために必要な表示
- 代金又は交換差金の額並びにその支払の時期及び方法
- 宅地又は建物の引渡しの時期
- 移転登記の申請の時期
- 代金及び交換差金以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額並びに当該金銭の授受の時期及び目的
- 契約の解除に関する定めがあるときは、その内容
- 損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは、その内容
- 天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容
- 当該宅地若しくは建物の瑕疵を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置についての定めがあるときは、その内容
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